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ピークフローメーターは気管支ぜんそく患者さんに対し、気管支のせまさを測定するための医療機器です。ピークフローの最大の特徴は患者さん自身が自分で行うことが出来ることです。そのため場所や時間を問わずに検査する事が出来、自宅での病状を把握することも出来ます。本日は喘息の診療に役立つピークフローメーターについてご紹介したいと思います。
ぜんそくは時間経過とともに気管支が広くなったりせまくなったりをくり返す病気です。特に深夜・早朝に悪くなるため、昼に病院で検査を行っても病状をとらえられないことがあります。ピークフローメーターは時間や場所を問わず、たった3ステップで簡単に気管支のせまさを調べることが出来ます。
➀ピークフローは瞬間最大風速
出来るだけ早く息を吐いた時測定出来る「瞬間最大風速」をピークフローといいます。
②測定は1日2回(朝と午後)がおすすめ
気管支が最もせまくなる朝と、気管支が最も広くなる午後に2回測定がおすすめです
③測定はわずか3ステップ!
・赤いメモリを下にあわせます
・吹き口より思いっきり息を吹きます
・3回測定し、最も高い数値を記録します
➀「日内変動」
ピークフローの1日の変動幅を「日内変動」といい、「気道過敏性」を表しています。健常の方は幅が5~8%ですが、20%以上の場合は未治療もしくはコントロール不良のぜんそくを疑います。
②「治療反応性」
気管支がせまいと吸入治療を行うことで気管支が広がり、ピークフローが改善しますが、これを治療反応性といいます。治療前と比べ、20%以上ピークフロー値が改善すれば、ぜんそくと診断する根拠となります。
③「呼吸苦と気管支の関係」
呼吸が苦しい時にピークフローを測定すると、気管支と呼吸苦との関係を調べることが出来ます。例えば下の図では、呼吸苦と気管支のせまさに関連が見られ、ぜんそくが悪化したため呼吸が苦しいのではないか、という解釈ができます。
<まとめ>
ピークフローメーターは気管支ぜんそく患者さんの気管支のせまさを手軽に場所を問わずに調べることが出来ます。病院などで行われる呼吸機能検査と違い、一日のうちで気管支のせまさが変動する「日内変動」や気道過敏性を表しており、また「治療反応性」を捉えられるのはピークフローならではです。上手に活用し、喘息のコントロールにつなげましょう。
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葛西よこやま内科・呼吸器内科クリニック 院長
・総合内科専門医
・呼吸器内科専門医