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乳幼児喘息(ぜんそく)とは


<乳幼児喘息(ぜんそく)とは>


小児気管支喘息治療・管理ガイドライン(JPGL)2017では、5歳以下を「乳幼児喘息」と定義し、学童期以降の小児喘息と区別しています。乳幼児では年長児と比較して、気道内径がせまく、気管支平滑筋が少なく、肺がやわらかいなどの特性から、容易に気道狭窄を起こしやすいという特徴があるからです。そのため感冒を契機に一時的に喘鳴を来すことも多く、診断上重要視されているのは喘鳴を繰り返す「反復性喘鳴」があることとされています。

<乳幼児喘息とは>
・5歳以下の喘息を「乳幼児喘息」という
・乳幼児は気管支が狭窄しやすいため、喘鳴を来しやすい
・乳幼児喘息の診断では「反復性喘鳴」が大切


<乳幼児喘息の診断の難しさ>


乳幼児では学童期とは異なり、呼吸機能検査を行ったり、自覚症状を訴えることが困難である点から喘息の診断を正しく行うことが困難と言われています。しかし小児喘息の80-90%が6歳までに発症すると言われていることから、早期診断・早期治療が重要と考えられています。このため、他覚的所見に基づく「診断的治療」が診断上必要となります。

<乳幼児喘息の診断の難しさ>

・小児喘息の80-90%が6歳までに発症する

・乳幼児喘息では「診断的治療」による早期診断・治療が大切


<乳幼児喘息の診断>


小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2017を引用しながら解説します。

5歳以下の反復性喘鳴のうち、明らかな24時間以上続く呼気性喘鳴を3エピソード以上繰り返し、β2刺激薬吸入後に呼気性喘鳴や努力性呼吸・SpO2の改善が認められる場合に「乳幼児喘息」と診断する。

JPGL2017


反復性喘鳴とは、日を変えて3回以上息を吐いたとき(呼気性)の喘鳴(ぜいぜい、ヒューヒュー)が見られることを言います。1回だけの喘鳴は「初回喘鳴」もしくは「急性喘鳴」として扱い、最初から喘息とは診断しません。息を吸ったとき(吸気性)の喘鳴は、通常異なる疾患(クループなど)が鑑別となります。この反復性喘鳴に対し、気管支拡張薬(メプチン、ベネトリンなどのネブライザー吸入もしくはpMDI製剤)を吸入し、症状の改善が得られるかどうかをみます。通常、ぜんそくであれば吸入後数分で速やかに症状改善がみられるはずです。

β2刺激薬に反応が乏しいものの呼気性喘鳴を認める症例に対しては「診断的治療」を用いて「乳幼児喘息」と診断できる。重症度に応じた長期管理薬を1か月間投与し、喘鳴がコントロールできた時点で投与を中止して経過観察をし、増悪した場合には投与を再開して喘鳴コントロールの可否を判断する。治療を実施している間は症状がなく、中止している間に症状が再燃する場合を「乳幼児喘息」と判断する。

JPGL2017


長期管理薬とはロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA;シングレア、オノンなど)や低~中用量の吸入ステロイドなどを指します。症状に合わせて短期的に気管支拡張薬の貼付薬や経口薬を加えますが、改善が乏しい場合は高用量の吸入ステロイドへStep upが行われます。

<乳幼児喘息の診断>

・乳幼児の喘息は、反復しておこる喘鳴に対し、気管支拡張薬の効果で評価を行い、効果が乏しい場合は長期管理薬による診断的治療を行う


<治る喘息と治らない喘息>

乳幼児期に反復性の喘鳴をもって診断された喘息は、3歳より就学前にかけて治癒する群(transient early wheezer)がある一方で、IgE関連喘息(アトピー型喘息)の多くは、ダニやハウスダストなどの吸入アレルゲンに対する特異的IgE抗体が陽性のアトピー型喘息として学童期以降も継続して認められる。

4回以上(うち最低1回は医師の診断あり)の喘鳴ある2歳以上の児が将来喘息に進展する危険因子は、大基準として「両親の喘息歴」「医師によるアトピー性皮膚炎の診断」「1つ以上の吸入アレルゲン感作」小基準として「牛乳、鶏卵、ピーナッツに対するアレルゲン検査」「感冒に関連しない喘鳴」「末梢血好酸球数4%以上」が挙げられている。

JPGL 2017


乳幼児期に診断された喘息のうち、吸入アレルゲンに感作されている児は学童期以降も病態として持続する可能性があります。したがって、喘息の診断時にはアレルギー検査を行い、「特異的IgE抗体」の有無と「末梢血好酸球値」も確認をすることが望ましいと考えます。また既往歴(アトピー性皮膚炎や食物アレルギー)、家族歴(両親の喘息歴)も併せて評価を行うことで、将来の喘息移行のリスクを評価しましょう。

< 治る喘息と治らない喘息>

・乳幼児喘息の診断時はアレルゲン検査を行い、既往歴(アトピー性皮膚炎や食物アレルギー)や家族歴(両親の喘息既往)についても確認を。


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