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葛西よこやま内科・呼吸器内科クリニック

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小児喘息(ぜんそく)の診断


<小児喘息(ぜんそく)の診察前に確認すること>


小児喘息(ぜんそく)を疑う症状として、繰り返す発作性の喘鳴(ゼイゼイ、ヒューヒュー)や長引く咳、呼吸困難があります。これらの多くは感冒(かぜ)をひいた後や季節の変わり目、天気、運動などを契機に起こります。また、家族歴の確認も重要です。小児喘息(ぜんそく)の多くはアトピー型であり、両親にアレルギー疾患の既往を持つことがあるからです。診察上の所見では強制呼気時(思いっきり息を吐いた時)に高調性喘鳴(wheezes)を聴取することが特徴的です。喘息では気管支が狭窄している場合、β2刺激薬(気管支拡張薬)により症状の改善が得られることが多く、過去の治療歴も参考になります。これら詳細な問診や診察で喘息が疑われる場合、検査を行い確認していくことになります。

<KEY POINT>
・風邪をひいた後や天気・季節の変わり目などで、繰り返す喘鳴(ゼイゼイ、ヒューヒュー)や長引く咳、発作性の呼吸苦を認めた場合は喘息を疑う。


<気道過敏性の確認>

喘息では気管支のアレルギー炎症により外の刺激に対し敏感になっています。これを「気道過敏性の亢進」といいます。気道過敏性は検査で調べることも出来ますが、検査機器が非常に専門的であり、実際に行われている医療機関は限られています。日常診療では、気道過敏性の亢進を疑う症状を確認します。

<KEY POINT>
・気道過敏性が亢進すると、寒暖差、気圧の変化(台風)、天気の変化(雨)、運動、タバコの煙などで咳、喘鳴(ゼイゼイ)を認める


<家族歴の確認>

両親のいずれかにアレルギー疾患(アトピー性皮膚炎、気管支喘息、小児喘息の既往)があるかどうかを確認します。

<KEY POINT>
・一般の小児と比較し、喘息児の両親にはアレルギー疾患(特に喘息や小児喘息の既往)を有する割合が高い。


<治療歴の確認>

かぜをひいた時に、β2刺激薬(気管支拡張薬)のテープや内服薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬(プランルカスト、モンテルカスト)により咳が著明に改善したことがあるかどうかを確認します。特に、気管支拡張薬により症状の改善が認められることは診断上とても重要な情報です。

<KEY POINT>
・気管支拡張のテープや内服薬で症状が劇的に改善したことがある


<検査>

喘息の検査としては、アレルギー性の炎症を評価する「呼気一酸化窒素(NO)分析」気管支のせまさを評価する「気道抵抗性試験(モストグラフ)」「スパイロメトリー」、アレルギー素因を確認する血液検査(IgE抗体)があります。喘息が疑われる症状・問診・身体所見と検査結果と併せて評価を行います。

<小児喘息の検査>

①呼気一酸化窒素(NO)分析

② 気道抵抗性試験(モストグラフ)

③呼吸機能検査(スパイロメーター)

④アレルゲン検査(IgE抗体)


①呼気一酸化窒素(NO)分析

NIOX VERO

一酸化窒素ガス分析装置 NIOX VERO(CHEST)


呼気NO検査は喘息や咳喘息の診断だけでなく、既に喘息と診断された方の炎症コントロールをみる指標としても有用です。 検査自体は非常に簡単で、10秒間(こどもは7秒間)息を一定の速度で吹き込むだけで測定出来ます。呼気一酸化窒素(FeNO)値の大まかな目安は下記の通りです。(好酸球型)喘息の診断には「19 ppb(特異度89%)」を超えていることが目安となります。つまり喘息を疑う症状(喘鳴)があり、FeNO値が19 ppbを超えている場合には89%の確率で喘息と診断することが出来ます。 ただし、FeNO値が低値の喘息(アトピー型喘息)を診断することは出来ません。診断時のFeNO値が高値である場合、治療反応性に値は改善するため、治療指標の判断としても有用です。

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②気道抵抗性試験(モストグラフ)

モストグラフ
モストグラフ(CHEST)


気管支の抵抗=気管支のせまさをみる検査です。気管支がせまいと山が高く赤~黒に表示され、気管支が広いと平らで緑~青に表示されます。20~30秒間の間通常通り呼吸を繰り返すだけでよい簡単な検査ですので、大人はもちろん、5~6才のお子さんから行うことが出来ます。検査の特性上、健常児でも大人と比べて気道抵抗は高値となることがあります。そのため、小児では気管支拡張薬前後で検査を行う「気道可逆性試験」を行い、治療反応性に気道抵抗が改善すれば喘息を疑う根拠となります。また治療開始後の経過を確認するにも有用です。

気道抵抗:低値              気道抵抗:高値

 
③呼吸機能検査(スパイロメーター)

マイクロスパイロ HI-302

マイクロスパイロ HI-302 (CHEST社)

息を吸ったり吐いたりして、肺の機能を調べる検査です。日常診療では、主に「安静呼吸」と「努力呼吸」の2つをみる検査が行われます。喘息の診断上重要なのは、「努力性肺活量」「1秒量」「1秒率」です。

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「努力性肺活量」:肺の大きさ
「1秒量」:1秒間で吐ける息の量(気管支の狭さ)
「1秒率」:「1秒量」/「努力肺活量」

このうち、診断に重要なのは「1秒率」です。肺の大きさ(肺活量)には個人差がありますので、ご自身の肺の大きさ(努力肺活量)に対し、どれだけ気管支が狭いか(1秒量)を表す指標と考えて頂ければよいと思います。1秒率が70%を下回ると「閉塞性障害」つまり、病的に気管支がせまい状態と判断されます。既に喘息と診断されている患者さんでは、治療前後で「1秒量」の変化を見ることで、気管支がきちんと広がっているかどうかを確認することが出来ます。

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④アレルゲン検査(IgE抗体)

IgE抗体とは、1型アレルギー反応を引き起こす免疫グロブリンです。特定のアレルゲン(ほこりやダニなど)に感作され反応するものを「特異的IgE抗体」といいます。一般的に行われている血液検査では、この「IgE抗体」の総量および何に反応するかどうかの「特異的IgE抗体」を調べています。アレルゲンが体に入ると、肥満細胞にくっついている特異的IgE抗体にアレルゲンがくっつき、化学物質が放出(脱顆粒)が起こり、各種のアレルギー反応が起こります。

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<非特異的IgE定量(IgE-RIST)>

1型アレルギーの原因となるIgEの総量をみる検査です。
喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などで高値となります。

<基準値>
1歳未満 20 IU/ml 以下
1~3歳 30 IU/ml 以下
4~6歳 110 IU/ml 以下
7歳以上 170 IU/ml 以下

<特異的IgE抗体>

①単項目測定法(CAP法)

推定されるアレルゲンを指定して検査を行う方法です。
保険適応により1度に調べられる数は13種類となります。

<喘息で調べる「吸入抗原」>

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②多項目測定法同時測定法(MAST-36、VIEW-39)

MAST-36とVIEW-39がよく行われます。
両者の違いは「ゴキブリ」「ガ」「マラセチア(カビ)」「サバ」「モモ」「トマト」「リンゴ」で、33項目については共通です。

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