葛西よこやま内科・呼吸器内科クリニック

お問い合わせ 専用ダイヤル
03-3877-1159
再診予約 専用ダイヤル
050-5357-2913

葛西よこやま内科・呼吸器内科クリニック

ブログ

Blog

睡眠時無呼吸症候群:CPAP治療は「4時間以上」

睡眠時無呼吸の合併症とCPAP治療の予防効果


睡眠時無呼吸の合併症とCPAP治療の予防効果はこちら

睡眠時無呼吸により起こる合併症には色々な疾患がありますが、中でも注目するべきは「致死的な心血管疾患」です。

睡眠時無呼吸は予後不良な疾患である

無呼吸指数が1時間に20回以上の重度の睡眠時無呼吸は死亡率が予後不良であることが報告されています。

AHIが30以上の睡眠時無呼吸は致死的心血管イベントのハイリスク

この報告では、30回以上の無呼吸・低呼吸指数を重症としたところ、他の群と比べ致死的な心血管イベントは10年で約5倍と報告されました。一方、CPAP治療を行っている群ではほぼ健常者なみのRiskであることも報告されています。

CPAP治療をただ行うだけでは効果は乏しい


2016年に行われたこの研究はCPAP治療に携わる医療関係者に衝撃を与えました。脳血管、冠動脈疾患の既往をもつ45-75才の中等度以上の睡眠時無呼吸患者に対し、CPAP治療を行う群と行わない群に分けて前向きに介入を行いましたが、両群で心血管イベントに差を認めなかったためです。ただし、この試験では1時間あたりの無呼吸・低呼吸指数(AHI)が15以上と中等症の患者が含まれており、治療前の平均AHIが29と比較的軽症であること、CPAPの平均装着時間が3.3時間とやや短いことが影響している可能性があります。

CPAPによる治療効果は1日4時間以上から

同様に、血行再建(カテーテル治療)が行われた心血管疾患患者を対象に、AHIが15以上(中等症)の睡眠時無呼吸に対し、CPAP治療を行う群と行わない群の2群に分けて前向きに介入を行った試験でも両群で心血管イベントに有意差は認められませんでした。ただし、この試験でも治療前の平均AHIが28と比較的中等症の患者が多数含まれていることが影響を及ぼしている可能性があります。


この試験ではCPAPの装着時間別に解析を行っています。3時間以上、4時間以上、5時間以上装着する群に分けて解析を行うと、4時間以上装着することで心血管イベントのリスクが有意に減少することが分かりました。

AHI>30の重度の睡眠時無呼吸に対し4時間以上CPAPを装着することが大切


この試験は睡眠時無呼吸のCPAP装着時間と無呼吸低呼吸指数についてのメタアナリシスです。(複数の臨床試験の結果を統合し解析する手法を「メタアナリシス」といいます。)左側のグラフは横軸にアドヒアランス(CPAPの装着時間)、右側のグラフは横軸に無呼吸低呼吸指数(AHI)を、縦軸は心血管イベントのリスク比率を表しています。CPAPの装着時間は4時間以上、AHIが30以上~40近くの重症になるとリスクが心血管イベントのリスクが減少していることが分かります。つまり、無呼吸指数が30以上の重症の睡眠時無呼吸に対し、CPAPを4時間以上つけることが心血管イベントのリスクを減らす上で重要であるということを示唆しています。

<まとめ>

・AHIが30以上の重症の睡眠時無呼吸(OSA)は、致死的心血管イベントリスクが10年で約5倍と高く予後不良な疾患である。

・重症のOSAの心血管イベントを抑制するためには、CPAPを「4時間」以上装着することが大切である。

カテゴリー

最近の投稿

月別アーカイブ