初診・再診のWEB予約はこちら

葛西よこやま内科・呼吸器内科クリニック

お問い合わせ 専用ダイヤル
03-3877-1159
再診予約 専用ダイヤル
050-5357-2913

葛西よこやま内科・呼吸器内科クリニック

ブログ

Blog

第56回日本アレルギー学会専門医認定教育セミナーに参加

  • 2019年10月20日

こんにちは、院長の横山です。

2019.10.20 お茶の水ソラシティカンファレンスセンターで行われた、第56回日本アレルギー学会専門医認定教育セミナーを受講してきました。アレルギー学会のセミナーは何回受講しても医学の進歩が早い分野であり、毎回新しい知見が得られるので興味深く聴講させて頂いております。行われた講演テーマと内容についてまとめましたのでご興味がある方はぜひご覧下さい。

 

(1) アレルギー疾患の発症機序と制御 - 経皮感作からはじまるアレルギー疾患-基礎研究による知見から

皮膚のバリア機能(フィラグリン)と皮膚感作により起こるアレルギー発症の仕組みについて、基礎研究による知見も含めたお話。

「茶のしずく石けん」と小麦アレルギーとの関係性などが明らかになり興味深い講演でした。

 

(2) アレルギーが関与する眼疾患

アレルギー性結膜炎の診断や治療について、眼科のエキスパートの先生による講演。抗アレルギー薬の点眼は早めに使うこと、ステロイド点眼は眼圧が上がることがあるので注意が必要、免疫抑制剤による点眼薬は有用。市販の点眼薬には防腐剤等の添加物が多く入っているのでおすすめできない。正しい点眼薬の使い方(下まぶたを軽く下げ、まぶたと眼球の間に入れる、黒目の部分には入れなくてよい)

日常臨床に役立つ情報が盛りだくさんでした。

 

(3) 小児気管支喘息と関連疾患

小児喘息ガイドラインを中心に病態・診断・治療について最新の研究で得られた知見を含めた概説。小児喘息は5才以下の乳幼児喘息、6才以上の学童喘息に分類。乳幼児喘息の診断ポイントとしては、①両親のどちらかに医師に診断された喘息の既往があること②アトピー性皮膚炎があること③血清学的にアレルギー(IgE抗体)があること④家族にアレルギー(IgE抗体)があること⑤喀痰中に好酸球増多を認めること⑥気道感染がないときに呼気性の喘鳴を認めること。感染時のみ喘鳴を来すタイプの喘息は中学生頃には4割程度は寛解するが、非感染時にも喘鳴を来す喘息は数%程度しか寛解しない。成人に喘息を持ち越す例からみると、7才~10才頃には既に呼吸機能が低下しはじめ成人に持ち越される。8才の呼吸機能において将来の喘息の寛解率は、1秒率(1秒間にどれだけ息が吐けるかを肺活量で割った値)が①75%未満→ 1割程度 ② 75-79%→ 2割程度 ③80%以上→5割程度 であり、早期に肺機能検査で病状を把握し治療をしっかり行っていく事が重要。

成人喘息において、「気道リモデリング(気管支が硬くなり狭くなってしまう現象)の予防の重要性が指摘されておりますが、小児喘息においてもリモデリング予防のため、早期から呼吸機能の評価を行い、治療を開始することの重要性が提言されています。この点につきましては小児喘息の診療においてぜひ活かしていきたいと考えております。

 

(4) 成人気管支喘息

成人喘息ガイドラインを中心に病態・診断・治療についての概説。従来の獲得免疫のメカニズムだけでなく、自然免疫(汚染物質やウイルス、カビ等)による、アラーミンや2型自然リンパ球を介した発症メカニズムが明らかになってきている。喘息の管理目標としては①症状のコントロール②気道炎症を制御する③正常な呼吸機能を保つ。将来のリスク回避として①呼吸機能の経年低下を抑制②喘息死を回避③治療薬の副作用発現を回避。喘息と鑑別すべき疾患を診断することが重要。臨床的に喘息と診断されている場合でも実際1/3は喘息ではなかったとの報告あり注意が必要。喘息の新規治療(抗体製剤、気管支温熱療法)について。コントロールされた状態(夜間症状は含めない)が3-6ヶ月続くようであれば治療薬のステップダウン(減量)を検討する。合併症の管理の1つとして睡眠時無呼吸症候群が重要。喘息増悪時に家庭で何を行うかの指導(アクションプラン)について。喘息中発作(目安としては横になれない)がある場合は救急外来等受診を推奨。気管支拡張症薬の吸入、酸素吸入、入院の可否についての判断が必要。アスピリン喘息(AERD):成人喘息の5-10%程度に存在、難治性喘息患者が多く、鼻茸を伴うことが特徴。鎮痛薬として選択的Cox-2阻害薬(セレコックス等)は安全に使用可能。妊娠合併喘息や高齢者喘息について。

当院の治療方針として最重要視しておりますが喘息の管理目標である気道炎症のコントロール、正常な肺機能を保つ、将来のリスクである気道リモデリングの予防(呼吸機能の経年低下)が重要であることを再認識致しました。

 

(5) 薬疹の発症機序と臨床 up-to-date

薬物により起こる皮疹(薬疹)について、実際の患者さんの写真、薬疹が起こるメカニズムについての基礎研究による知見も含め概説。

日常臨床で比較的遭遇することが多い薬疹についてup-to-dateを行いました。

 

(6) 膠原病の診断における自己抗体の役割

関節リウマチをはじめとする膠原病の病態・診断・治療についての概説。特に膠原病の診断に有用である自己抗体(自分の体を攻撃している抗体)について。

膠原病は長引く関節痛や筋肉痛、発熱などその症状が多彩であることが特徴であり、診断が難しい疾患です。診断基準をしっかりおさえることが正しい診断につながるため、本講演により知識のUp-to-dateを行いました。

 

(7) 好酸球性中耳炎

好酸球性中耳炎はアレルギー細胞である好酸球が原因で起こる中耳炎で日本で提唱された疾患。病態・診断・治療について、耳鼻科のエキスパートの先生による概説。好酸球性中耳炎と喘息はOne airway One diseaseの関係にあり、喘息のコントロールが適切に行われているかどうかが重要。喘息のコントロールを適切に行うことで耳症状の改善が期待出来る。

診断基準内の小項目喘息や鼻茸の合併があり、喘息を主とする診療を行っている呼吸器内科医にとっては関連が深い疾患です。好酸球性喘息の管理中に難聴、耳閉などの耳症状がある場合には同疾患を疑い、耳鼻科専門医へのコンサルトが必要であると再認識致しました。

最近の投稿