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GSK Respiratory Seminar 2019に参加

  • 2019年10月27日

こんにちは、院長の横山です。

2019.10.27に福岡で行われました講演会 ” GSK Respiratory Seminar 2019 “に参加してまいりました。

この講演では喘息、重症喘息治療、COPDと幅広い分野について、

それぞれのエキスパートの先生が講演をされました。

 

講演内容について気になったトピックスとコメントをまとめてみました。

ご興味がある方はぜひご覧ください。

 

(1)Keynote speach  松永 和人 先生(山口大学)

 

<topics>

喘息の増悪を繰り返すと、経年的な1秒量低下を起こす。

①喘息の増悪なし:-13.6ml/年

②喘息の増悪1回:-41.3ml/年

③喘息の増悪2回以上:-58.3ml/年

 

<comment>

喘息は増悪(発作)を起こした時だけ治療をするという方法ですと、長期的に呼吸機能の低下を起こす可能性があります。発作を起こさないように管理することが、経年的な呼吸機能低下(リモデリング)を来さないためには重要であることを示唆していると考えます。

 

(2)今そこにある咳症状治療から長期の喘息治療につなげる実践的アプローチとは

~今後の治療選択を見据えてICS/LABAのポジショニングを再考する 松瀬 厚人先生(東邦大学

 

<topics>

・喘息患者さんでは健常の方と比べ、咳に対する感受性が亢進している

・喘息の患者さんにおける気道収縮は、咳を引き起こす。

・気道収縮を繰り返すだけでも気道リモデリング(気管支壁が肥厚+硬くなること)が起こる。

 

<comment>

喘息では気道炎症だけでなく気道収縮(気管支が伸び縮みすること)によっても咳を引き起こしたり、気道リモデリング(気道壁が肥厚し、硬くなる現象)を起こすことが知られています。従って、喘息のコントロールを評価する上で大事なポイントは、①気道炎症 ②自覚症状 ③気道狭窄を多面的に行うことであると考えられます。当院でも①気道炎症:呼気NO(ナイオックス)、②自覚症状:ACT(ぜんそくコントロールテスト)に加え、咳嗽の有無、③気道狭窄:呼吸機能検査(スパイロメータ)、気道抵抗性試験(モストグラフ)による評価を行っています。また長引く咳の患者さん(咳喘息など)を切り口に考えると、気道炎症だけでなく気道狭窄を同時に評価することが治療薬選択上有用であると考えます。

 

 

(3)私はバイオ製剤をこう使う!実践的な重症喘息治療  丸毛 聡 先生(北野病院)

 

<topics>

・重症喘息に対する生物学的製剤の選択において血中好酸球数が効果予測に重要

・併存症(睡眠時無呼吸症候群、肥満、逆流性食道炎)治療が重要

 

<comment>

重症難治性喘息は、全喘息患者の約1割に存在すると言われています。既存の喘息治療(吸入薬、内服薬)でコントロール出来ず経口ステロイド等による治療が必要な状態であることも多く、経口ステロイドによる有害事象も懸念されることが多いため、長年新規治療薬が望まれていました。近年、Omalizmab(ゾレア)Mepolizumab(ヌーカラ)Benralizumab(ファセンラ)Dupixent(デュピクセント)などの生物学的製剤が次々と上市し、治療選択肢が広がっています。私自身の見解としては、生物学的製剤はとても高価であり、治療適応や治療薬選択は慎重に行うべきであると考えています。前提として、まず真の重症喘息であるのか、併存症の管理はしっかり出来ているのかを考える必要があるのではないでしょうか。

 

 

(4)Keynote speach  一ノ瀬 正和 先生

 

<topics>

・LABA/LAMA配合剤による効果(肺容量減少、左心機能改善)

・ICS/LABA/LAMAトリプル製剤

 

<comment>

COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、喫煙により肺の構造破壊をきたし、慢性的な気道閉塞及び息が吐けないことによる肺過膨張を来すことにより息切れを来す疾患です。LABA/LAMA配合剤とは長時間作用型の気管支拡張薬でCOPDの治療薬です。トリプル製剤とは従来使用されているLABA/LAMA製剤に加え、ステロイドが配合されている吸入薬となります。この製剤を使うことの意義としては、COPDに加え喘息を合併しているCase(喘息-COPD overlap:ACO)や、増悪を繰り返すケース(2回/年もしくは入院を必要とするようなら増悪を1回/年)、血中の好酸球数が高値である患者さんに対し、症状、QOLの改善、増悪抑制、経年的な呼吸機能低下を防ぐことにあると思います。テリルジーという吸入薬はこの3つの成分が1つの吸入薬として使用可能な、画期的なデバイスです。患者さんの症状を改善させることが治療の目的ですが、同時に治療負担感も軽減することも治療継続の上で大事なポイントだからです。

 

 

(5)COPD治療におけるトリプル製剤への期待  川山 智隆 先生(久留米大学)

 

<topics>

・気道炎症に対する低ステロイド感受性を高めるにはLABAが有効

・FULFIL試験

ICS/LABA/LAMA vs ICS/LABA(テリルジー vs シムビコート)

・IMPACT試験

ICS/LABA/LAMA vs ICS/LABA vs LABA/LAMA(テリルジー vs レルベア vs アノーロ)

Sub解析:好酸球と増悪の関係

・KRONOS試験

ICS/LABA/LAMA vs ICS/LABA vs LABA/LAMA(ビレーズトリ vs ビペスピ vs シムビコート)

sub解析:好酸球と増悪の関係

・喘息-COPD overlap(ACO);FeNO >35 ppb , 末梢血好酸球>5%, >300個/μlに留意

 

<comment>

COPDの治療を組み立てる上で大事なポイントは意外にシンプルです。mMRC(息切れのスケール)2点以上, CAT(COPDアセスメントテスト)10点以上, 年間増悪が2回以上もしくは入院を必要とするようなら増悪1回以上,末梢血好酸球数が300個/μl 以上, 呼気一酸化窒素(FeNO) >35 ppb以上が該当するかどうか。喘息のお話でもありましたが、症状や炎症など多面的な評価を行い、治療を選択していくことが重要であると考えられます。新しい良い薬が出たからということで飛びついたり画一的な処方をするのではなく、適切な評価を行い患者さん個々にあった「必要充分な治療」を選択することが重要だと思います。

 

 

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