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One airway One disease

「One airway one disease」気管支喘息とアレルギー性鼻炎の深い関係とは?

私達呼吸器内科医では、「One airway one disease」という言葉を使います。これはどういう意味なのでしょうか?息の通り道は「気道」といい、鼻・口・咽喉頭(のど)を「上気道」、気管・気管支・肺を「下気道」に分類します。もちろん上気道と下気道は解剖学的には異なる臓器ですが、病態としては繋がっているという意味です。特にアレルギー疾患である気管支ぜん息とアレルギー性鼻炎は切っても切れない関係があるのです。

アレルギー性鼻炎はぜん息の独立した危険因子であり、症状の増悪にも関連が深くその関連は「One airway one disease」として知られている

喘息予防・管理ガイドライン2018


「アレルギー性鼻炎は喘息発症と関連する

赤いグラフがアレルギー性鼻炎の患者です。緑のControl(正常)の方と比較すると経年的に喘息累積発症率が増えていきます。つまりアレルギー性鼻炎を罹患している方はそうでない方と比べて、8年間で約4倍程度喘息を発症しやすいと言うことが分かります。

「アレルギー性鼻炎は気道過敏性を亢進させる」

グラフの意味を解説致します。縦軸が鼻炎罹患期間(年)で横軸が気道過敏性を表しています。PC20という数値はアレルギーを引き起こす薬剤を吸入させた際、その患者の1秒間にはける息の量(1秒量)が20%低下する濃度を意味します。つまり、薬剤の濃度が小さければ小さいほど、その薬剤に対して過敏であるという意味になります。鼻炎の罹患期間が長くなるにつれて、PC20が低値、つまり気道過敏性が亢進していくことが分かると思います。気道過敏性は気管支喘息の病態そのものであり、アレルギー性鼻炎が気道過敏性亢進を通じて気管支喘息の発症や病態に関わっていることが分かります。

「喘息患者のうち67.3%がアレルギー性鼻炎」

この研究は日本の喘息患者を対象に行われたアレルギー性鼻炎の罹患率を調べたものです。薬による治療を行われている15才以上の喘息患者26680名を対象とし調査すると、アレルギー性鼻炎合併患者さんはなんと67.3%もいることが分かりました。このうち、中等症~重症のアレルギー性鼻炎を合併している患者さんは58.3%もいることが分かっています。

「国民病であるアレルギー性鼻炎」

それでは、アレルギー性鼻炎は喘息患者さんにだけ多いということなのでしょうか。血液検査で横断的にアレルギーを調べた研究をみると、そうとも言えないようです。この研究では様々な吸入抗原に対するIgE抗体を調べていますが、特にスギ花粉が60%、ダニが40%の方で陽性になったと報告されています。おおよそ半数近くの方が何らかの吸入抗原に対する抗体を持っているということですので、アレルギー性鼻炎というのはまさに国民病と呼べるのかもしれません。

<KEY POINT>


・アレルギー性鼻炎とぜん息はOne airway one disease(1つの気道で1つの疾患)と形容されるように、切っても切れない関係がある。

・アレルギー性鼻炎は喘息の発症や増悪に関わっていることが分かっており、気管支喘息患者さんではアレルギー性鼻炎の積極的な治療が望まれる。

・アレルギー性鼻炎は国民病であり、約半数の方がスギ花粉やダニに対するアレルギーを持っていると考えられる。

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