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【講演会参加】肺非結核性抗酸菌症に関する講演会(ARiKAYCE National Conference)

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2025.03.16福岡で行われました肺非結核性抗酸菌症(NTM)の講演会に参加致しました。
以下聴講録となりますので、ご興味がある方はごらんください。


Opening remarks

・NTM症の罹患率と死者数は増加してきている
・NTM感染症の死者数は2023年では2298人と肺結核の死者数1587名を超えている
・2024年肺NTM症診断に関する指針改訂

講演1 肺NTM診療の課題とこれから 
佐々木結花 先生 独立行政法人国立病院機構東京病院

・肺NTM症は全例が同じ進行度で受診するわけではなく、全例が悪化するわけでもないことが診療を複雑にしている。
・2020年国債ガイドラインでは、喀痰抗酸菌塗抹陽性、空洞影がある方ではwatchfull waiting(慎重に経過観察)が望まれる
・肺MAC症とBMIと%VC, %FEV1が病状進行に相関する
・アジア人が明らかに多いと言われている
・宿主因子と環境暴露因子がある
・NTM症の基礎疾患:RA,COPD,気管支拡張症などに注意
・基礎疾患と併存疾患の病態はNTM診療に大きく影響する Bents SJ BMC Infect Dis 2024;24:1094
・ABPA(アレルギー性気管支肺アスペルギルス症)をみたらNTM合併を常に意識する
・気管支拡張症=NTMではない Chalmers JD et al Lancet Respir Med,2023;11):637
・GERDは非GERDに比べてNTM PD発症リスク3.4倍高い Kim Y et al Chest 2023
・肺非結核性抗酸菌症化学療法に関する見解-2023年改訂
・肺非結核性抗酸菌症診断に関する見解2024年改訂
・審査事例承認薬:保険適応はされないが査定されない薬:AMK, AZM,IPM/CSなど
・MAC標準治療:A法とB法:RE+CAM orAZM、B法:間欠法
・EBは菌陰性化率に重要、マクロライド耐性化抑制に重要であり、有害事象に困るケースでは専門医療機関へ紹介すべき
・NTM治療についてすべての菌種でマクロライド耐性を防がないといけない
・マクロライド耐性化:遺伝子点突然変異
・菌量が多いこと、M.intracellerであること, RFP併用によるCAM濃度の低下
・RFPは必要なのか、という議論 AMKやCFZへの置き換えも検討されている
・CAMをAZMに変更すべき?:肝障害同等、QT延長同等
・空洞を有する、塗抹陽性が継続するNBタイプではアミノグリコシドを早めに使用することを検討する
・MAC症からM.aviumとM.Intracellerという疾患に分ける
・複数肺葉、空洞、血痰、全身症状→紹介
・アドヒアランスの問題:6か月以上41.9%
 ・多剤治療は発症予防や生命予後の延長に効果なし?
・ALIS:29.0%菌陰性化率 3割はマクロライド使えない、耐性などが含まれている、本邦で28.6%
・ALIS:6か月以上治療しても喀痰からNTMが検出される方
・AZMの薬剤感受性は役に立たない(CAM耐性化でなければ問題なし)


講演2 今問われるWatchfull waitingの真意とは~ 
北海道病院 長井桂 先生

発表者の症例報告

・健診33.1%, 症状精査36.9%
・約半数は初診時の症状がない
・M.aviumが多く、次いでIntraceller
・BMI 18-19と瘦せ型多い
・未治療例:菌陰性化24%なし26%不明50%
・空洞出現、陰影悪化は32%
・治療開始しない理由:症状がない、副作用、一生薬飲まないといけない
・治療中断の理由:副作用が最多 6%程度
・治療終了後の再発率は26%、再治療しない理由:治療拒否、他疾患による病態悪化
・菌陰性しない:25%12名→アリケイス8名
・痰の評価不足が治療強化に進めない最大の因子

・M.intracellerが占める割合は地域差がある西高東低
・M.aviumとIntracellerでは予後違う Pan SW Fang HY 2021.27
・Intracellerの方が予後悪い
・自然経過で菌陰性化になるのは3割 S.M. Respir Med 2019
・どういう因子なのかは不明であった
・ガイドラインに基づく初回治療の副作用による治療中止率:9.6%(AZM)~24.2%(CAM)
・培養菌陰性化率の再発率:治療中14%、治療完了後48%

Watchfull waiting(注意深い観察)

・活動性ない→経過観察
・活動性あり→空洞、塗抹陽性→治療
・半年で除菌失敗→難治例として次の治療へ
・経過観察としてもよい症例:空洞ない結節・気管支拡張型(NB form):自覚症状なし、軽度、陰影悪化なし、塗抹なし
・空洞なし/あり で画像悪化異なる
・空洞の有無が予後に関係する
・内腔10mm以上で周囲の浸潤陰影がある空洞は増悪しやすい
・浸潤陰影や空洞は菌量が多い(結節型は少ない)
・経過観察をする場合は少なくとも3か月に1回はXp, または半年に1回のCTと記載あるが・・・
・喀痰量や画像悪化などで治療のタイミングを計るのは困難であり早期治療が望ましい?
・ガイドラインに基づく治療成功率61.4%
・結節、浸潤影はよくなるが、空洞や気管支拡張はやや悪化することが多い
・空洞例でも菌陰性化率が生死と関連する
・治療開始6か月以内の菌陰性化は死亡率低下と関連する
・喀痰培養陰性化の有無は6か月でほぼ決まる
・喀痰がうまく取れないことが評価を難しくしていることが多い
・痰をとることの重要性を説明すること、膿性痰でも良いこと、喀痰採取を工夫すること ラングフルート
・空洞陰影や無気肺は喀痰培養陽性と関連する
・BACES Score 死亡率
・喀痰がでないこときは陰影悪化の有無(空洞、無気肺)、体重減少、CRP/ESR上昇、症状増悪等
・気管支鏡で積極的に菌の情報をとる

講演3 アミカシン吸入剤:アリケイス治療のリアルワールドデータ 
順天堂浦安 佐々木信一先生

・19.2人/100万人発症
・ブロスミックSGM/RGM アミカシンの感受性
・マクロライド耐性化は予後不良
・CONVERT trial
・ALISの上乗せで菌陰性化率が高くなる

症例集積30例
・菌陰性化率:39.1%
・効果あり: 87.0%
・嗄声:30%、薬剤性肺障害2例

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