2024.11.10 福岡で行われました重症喘息に関する講演会に参加致しました。
「好酸球の役割」「Mepolizumab(ヌーカラ)の効果」「IL-5と好酸球の関係」についての知見を深めることができました。Mepolizumab(ヌーカラ)は好酸球を抑制するのみならず、喘息において多彩な役割を果たしているIL-5を抑制することで幅広い効果を得ることが可能であるという知見も集積されております。
以下、気になった部分についての聴講録となります。
<Keynote Speech>
バイオ製剤が切り拓く重症喘息治療の新たな目標
坂上 拓郎 先生
<講演1>
one airway, one diseaseを体現する好酸球の病原性~何が好酸球を活性化するのか~
宮田 純 先生
・喘息重症化においては一部の患者では喀痰中に自己抗体が検出されている
・好酸球が活性化される条件:①血清フリーな環境下であること ②自己抗体が形成されていること
・Mepolizumabの治療効果予測因子:Late onset, CRSwNP
<講演2>
鼻疾患合併重症喘息の新規治療戦略
丸毛 聡 先生
・喘息にECRS(好酸球性副鼻腔炎)合併を予測する因子として、FeNO>50 ppb, 胸部CTで確認出来る気管支への喀痰閉塞, 血中好酸球数>300cells/μlが挙げられている。
・ECRS合併重症喘息に対する生物学的製剤の役割, 臨床的寛解(Clinical Remission)の意義
・漢方:辛夷清肺湯など(好酸球に対する効果)
・MepolizumabとDupilmabの比較について
<講演3>
リアルワールドにおけるメポリズマブ~J-Real-MepoとJGL Remission
長瀬 洋之 先生
・J-Real-Mepo 多施設共同後ろ向き試験 Nagase H et al. PP255 JRS 2024, submitted
・主要評価項目:増悪頻度、OCS減量効果
・増悪頻度:2.63回/年→1.16回/年
・OCS減量効果:7.76 mg/day → 4.18 mg/day、
・ACTは4週間~(20点前後), FEV1+100ml, 好塩基球も4週間程度で減少傾向
・RCTで除外される喫煙歴(>10p-y以上)でも効果あり
・Eo<150 63.9%が継続的OCS, 52.8%に過去300cells/μl以上の既往あり
・Eo<150でも増悪抑制,OCS減量効果あり
・L-Mスコアは12週から有意に減少した
【講演会参加】Mepolizmabu Severe Asthma National Conference in Fukuoka
2024.11.10