今年のスギ花粉は飛散量がとても多く、3月にピークを迎える予想です。昨年までは内服薬だけで何とかなっていた方も今年は症状が収まらないという方も多いのではないでしょうか。花粉症治療には大きく分けて、①内服薬、②点鼻薬、③目薬、④注射、⑤舌下免疫療法があります。通常、内服薬(抗ヒスタミン)や点鼻ステロイドで鼻汁や鼻閉をおさえ、目薬で目のかゆみをおさえます。これらの治療によっても十分な改善が得られない場合、④注射(ゾレア)の適応を検討しますが、値段が高価であることや、注射薬でありアナフィラキシーのリスクもあるため院内で30分程度の観察を行う必要があります。さて、舌下免疫療法という治療をご存知でしょうか。スギ花粉症の体質を3年から5年かけて改善する治療で、もともとは注射により行われていましたが、近年はより安全で苦痛が少ない舌下免疫療法がおこなわれるようになってきています。1分間、舌の下に薬を置き、その後5分間絶飲食を行います。5歳から行うことが出来、年単位でスギ花粉症の症状が改善していく治療です。開始時期はスギ花粉の飛散が終わる5月下旬より開始出来、費用は3割負担で月額1200円程度の薬代(診察料や処方箋代は別)となります。今年のスギ花粉症がとてもつらく、内服薬や点鼻薬を複数使用しないとコントロール出来ない方は、これを機に舌下免疫療法を検討してみましょう。
<スギ舌下免疫療法(シダキュア)の開始手順>
①アレルゲンを確認する(血液検査)*過去のデータをお持ちの方は代用可能です
②舌下免疫療法についての説明を受け、処方薬をもらう
③クリニックに持参し、院内で初回投与(30分の観察)を行う
④以降、自宅にて内服を続ける
詳しくはこちら:「舌下免疫療法」
スギ花粉症を治す「舌下免疫療法」とは
2023.03.09