葛西よこやま内科・呼吸器内科クリニック

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小児科

Pediatrics

小児科

*当院では食物アレルギーに関する診断・治療は行っておりませんので、ご了承下さい。

かぜ

「かぜ」は鼻やのどに微生物が感染して起こり、咳、のどの痛み、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、声がれ、発熱などの症状が出現する疾患です。原因のほとんど(80~90%)はウイルスです。そのためインフルエンザなどを除いて特効薬がなく、症状をやわらげる治療(対症療法)が主体となりますが、通常は1週間程度で自然治癒が期待出来ます。当院の基本方針として「耐性菌予防」の観点から、かぜウイルス感染に対しては基本的には抗生剤を処方致しませんが、症状や経過に応じてCRPや迅速診断検査、必要に応じて胸部レントゲン検査を行い、細菌感染の可能性が高いと考えられた場合は、病態にあった適切な抗生剤による加療を行います。

長引く咳

咳、咳嗽(がいそう) は、もともと肺や気管支の中に外から入ってきた異物を取り除こうとする防御反応です。長引く咳の目安は2週間以上続く場合で、お子さんの長引く咳の原因としてよくみられるのは、マイコプラズマ肺炎をはじめとする「感染症」、ちくのう症や鼻炎などが原因で、鼻汁がのどに落ちる「後鼻漏(こうびろう)」、アレルギー性の咳である「咳ぜんそく」や「ぜんそく」などがあります。詳細な問診(家族歴)や診察に加え、必要に応じて炎症反応検査(耳から検査可能、痛みの少ない検査です)、胸部X線、副鼻腔X線、呼気ガス検査(気道のアレルギーをみる検査)、気道抵抗性試験(気道が狭いかどうかを調べる検査)、特異的IgE抗体(アレルゲンを特定する検査)などを行い疾患の鑑別を行っていきます。

小児喘息

  1. ① 乳幼児ぜんそく(5歳以下)

    5歳以下の乳幼児ぜんそくは学童期以降の小児喘息と区別されます。乳幼児では年長児と比較して気道内径がせまく、気管の筋肉が少なく、肺が柔らかいという特性があるため、かぜなどを契機に容易に気道狭窄を起こしやすいという特徴があるからです。そのため、喘鳴を繰り返す「反復性喘鳴」がある場合にはぜんそくを疑うことになります。(反復性喘鳴とは、日を変えて3回以上息を吐いたときの喘鳴(ぜいぜい、ヒューヒュー)が見られることを言います。)この反復性喘鳴に対し、気管支拡張薬を吸入し、症状の改善が得られるかどうかをみます。通常、ぜんそくであれば吸入後数分で速やかに症状改善がみられます。効果が乏しい場合は長期管理薬による診断的治療を行います。乳幼児期に診断された喘息のうち、吸入アレルゲンに感作されている児は学童期以降も病態として持続する可能性があります。したがって、喘息の診断時にはアレルギー検査を行い、「特異的IgE抗体」の有無と「末梢血好酸球値」も確認をすることが望ましいと考えます。また既往歴(アトピー性皮膚炎や食物アレルギー)、家族歴(両親の喘息歴)も併せて評価を行うことで、将来の喘息移行のリスクを評価するとよいでしょう。

  2. ② 小児ぜんそく(6歳以上)

    小児喘息は、発作性に起こる気道狭窄(きょうさく)によって、喘鳴(ぜーぜー、ヒューヒュー)や咳、呼吸困難を繰り返す病気です。これらの症状は自然に、あるいは治療により軽快、消失しますが、ごくまれには致死的となることもあります。基本的な病態は「慢性の気道炎症」と「気道過敏性の亢進」ですが、近年成人喘息で言われている、気管支壁が硬くなり重症化につながる「気道リモデリング」という現象が病態に関与することが知られています。発症には特定の「遺伝因子」と「環境因子」が互いに作用しあって関与すると言われています。

    気道リモデリング

    JPGL2017より一部改変引用

「小児喘息ではアトピー型が多い」

喘息を引き起こすアレルギーは大きく3つあり、「アトピー型喘息」「好酸球型喘息」「それ以外」に分類されます。成人喘息では比較的「好酸球型」が多いのが特徴ですが、小児喘息では「アトピー型喘息」が多いのが特徴です。アトピー型喘息の患者では、アレルギーの原因物質(アレルゲン)に対し、特異的に反応するIgE抗体が、肥満細胞(マスト細胞)表面に受容体とくっついた状態で存在しています。この部分にアレルゲンが結合すると、肥満細胞から大量の化学物質が放出され、アレルギー性の炎症が起こります。これをⅠ型アレルギー反応といいます。

「ウイルス感染」

アトピー素因を持つ児はライノウイルスやRSウイルス感染を来しやすく、またウイルス感染自体が喘息発症の要因となったり、重症化するきっかけになると報告されています。

「遺伝的素因」

喘息児の家族は何らかのアレルギー疾患を有する割合が高いと言われています。

  • 両親のいずれかに医師により存在された喘息の既往がある
  • 両親のいずれかに、高IgE血症及び特異的IgE抗体を認める

「気道過敏性の亢進」

喘息では気管支のアレルギー炎症により外の刺激に対し敏感になっています。これを「気道過敏性の亢進」といいます。刺激となるものとしては、寒暖差、気圧の変化(台風)、天気の変化(雨)、運動、タバコの煙などがあります。

「治療歴」

かぜをひいた時に、β2刺激薬(気管支拡張薬)のテープや内服薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬(プランルカスト、モンテルカスト)により咳が著明に改善したことがあるかどうかを確認します。特に、気管支拡張薬により症状の改善が認められることは診断上とても重要な情報です。

「検査」

喘息の検査としては、アレルギー性の炎症を評価する「呼気一酸化窒素(NO)分析」気管支のせまさを評価する「気道抵抗性試験(モストグラフ)」「スパイロメトリー」、アレルギー素因を確認する血液検査(IgE抗体)があります。喘息が疑われる症状・問診・身体所見と検査結果と併せて評価を行います。

検査メニュー
  1. ① 呼気一酸化窒素(NO)分析
  2. ② 気道抵抗性試験(モストグラフ)
  3. ③ 呼吸機能検査(スパイロメーター)
  4. ④ アレルゲン検査(IgE抗体)
① 呼気一酸化窒素(NO)分析
一酸化窒素ガス分析装置 NIOX VERO(CHEST)

一酸化窒素ガス分析装置 NIOX VERO(CHEST)

呼気NO検査は喘息や咳喘息の診断だけでなく、既に喘息と診断された方の炎症コントロールをみる指標としても有用です。 検査自体は非常に簡単で、10秒間(こどもは7秒間)息を一定の速度で吹き込むだけで測定出来ます。呼気一酸化窒素(FeNO)値の大まかな目安は下記の通りです。(好酸球型)喘息の診断には「19 ppb(特異度89%)」を超えていることが目安となります。つまり喘息を疑う症状(喘鳴)があり、FeNO値が19 ppbを超えている場合には89%の確率で喘息と診断することが出来ます。 ただし、FeNO値が低値の喘息(アトピー型喘息)を診断することは出来ません。診断時のFeNO値が高値である場合、治療反応性に値は改善するため、治療指標の判断としても有用です。

呼気一酸化窒素について
② 気道抵抗性試験(モストグラフ)
モストグラフ(CHEST)

モストグラフ(CHEST)

気管支の抵抗=気管支のせまさをみる検査です。気管支がせまいと山が高く赤~黒に表示され、気管支が広いと平らで緑~青に表示されます。20~30秒間の間通常通り呼吸を繰り返すだけでよい簡単な検査ですので、大人はもちろん、5~6才のお子さんから行うことが出来ます。検査の特性上、健常児でも大人と比べて気道抵抗は高値となることがあります。そのため、小児では気管支拡張薬前後で検査を行う「気道可逆性試験」を行い、治療反応性に気道抵抗が改善すれば喘息を疑う根拠となります。また治療開始後の経過を確認するにも有用です。

モストグラフ(CHEST)・低値

気道抵抗:低値 

モストグラフ(CHEST)・低値

気道抵抗:高値

③ 呼吸機能検査(スパイロメーター)
マイクロスパイロ HI-302 (CHEST社)

マイクロスパイロ HI-302 (CHEST社)

息を吸ったり吐いたりして、肺の機能を調べる検査です。日常診療では、主に「安静呼吸」と「努力呼吸」の2つをみる検査が行われます。喘息の診断上重要なのは、「努力性肺活量」「1秒量」「1秒率」です。

呼吸機能検査(スパイロメーター)計測グラフ

呼吸機能検査(スパイロメーター)計測グラフ

  • 「努力性肺活量」: 肺の大きさ
  • 「1秒量」: 1秒間で吐ける息の量(気管支の狭さ)
  • 「1秒率」: 1秒量」/「努力肺活量」

このうち、診断に重要なのは「1秒率」です。肺の大きさ(肺活量)には個人差がありますので、ご自身の肺の大きさ(努力肺活量)に対し、どれだけ気管支が狭いか(1秒量)を表す指標と考えて頂ければよいと思います。1秒率が70%を下回ると「閉塞性障害」つまり、病的に気管支がせまい状態と判断されます。既に喘息と診断されている患者さんでは、治療前後で「1秒量」の変化を見ることで、気管支がきちんと広がっているかどうかを確認することが出来ます。

  
④ アレルゲン検査(IgE抗体)

IgE抗体とは、1型アレルギー反応を引き起こす免疫グロブリンです。特定のアレルゲン(ほこりやダニなど)に感作され反応するものを「特異的IgE抗体」といいます。一般的に行われている血液検査では、この「IgE抗体」の総量および何に反応するかどうかの「特異的IgE抗体」を調べています。アレルゲンが体に入ると、肥満細胞にくっついている特異的IgE抗体にアレルゲンがくっつき、化学物質が放出(脱顆粒)が起こり、各種のアレルギー反応が起こります。

非特異的IgE定量(IgE-RIST)
非特異的IgE定量(IgE-RIST)

1型アレルギーの原因となるIgEの総量をみる検査です。
喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などで高値となります。

<基準値>

  • 1歳未満 20 IU/ml 以下
  • 1~3歳 30 IU/ml 以下
  • 4~6歳 110 IU/ml 以下
  • 7歳以上 170 IU/ml 以下
特異的IgE抗体
  1. ①単項目測定法(CAP法)

    推定されるアレルゲンを指定して検査を行う方法です。
    保険適応により1度に調べられる数は13種類となります。

    <喘息で調べる「吸入抗原」>

    ハウスダスト通年性抗原
    ダニ
    スギ2~4月(春)
    ヒノキ3~5月(春)
    ハンノキ2~4月(春)
    ブタクサ8~10月(秋)
    ヨモギ8~10月(秋)
    カモガヤ5~8月(夏)
    オオアワガエリ5~8月(夏)
    アスペルギルスカビ
    カンジダ
    アルテルナリア
    クラドスポリウム
    マラセチア
    イヌペット皮屑
    ネコ
  2. ②多項目測定法同時測定法
    (MAST-36、VIEW-39)

    MAST-36とVIEW-39がよく行われます。
    両者の違いは「ゴキブリ」「ガ」「マラセチア(カビ)」「サバ」「モモ」「トマト」「リンゴ」で、33項目については共通です。

    MAST-36VIEW-39
    コナヒョウヒダニヤケヒョウキダニ
    ゴキブリ
    マラセチア
    サバ
    モモ、トマトリンゴ
    ハウスダスト、ネコ皮屑、イヌ皮屑、
    スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカンバ、カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ、ヨモギ、
    アルテルナリア、アスペルギルス、カンジダ、ラテックス、
    卵白、オボムコイド、ミルク、小麦、大豆、ソバ、ピーナッツ、米、ゴマ、エビ、カニ、キウイ、バナナ、
    鶏肉、牛肉、豚肉、マグロ、サケ